オーストラリア市民権を取得するステップ 2021<準備から申請まで>
Posted: 14 July, 2021
(Updated: 30 September, 2021)
(Updated: 30 September, 2021)
オーストラリアに移住して永住権を持っている場合、永住権を申請する選択肢もある。どのような手続きが必要なのでしょうか。
ここでは概要のみを抜粋して書いているので、詳細及び最新版は各自でご確認ください。また、外国の法制度の確認も当該の国にご自身で行ってください。
ー内容ー
オーストラリア市民権・義務と権利
誰が市民権申請できるの?
申請費用と審査期間
申請の流れ ステップ by ステップ
ステップ1:Make sure you are eligible
ステップ2:Prepare your documents
*その他の事前準備(政府サイトには記載されていない)
ステップ3:Apply for citizenship
ステップ4:Come to your appointment
ステップ5:Wait for our decision
ステップ6:Outcome
ステップ7:Attend a citizenship ceremony
参考にしたウェブサイト:Department of Home Affairs
後半のブログ記事はこちらに続きます👉オーストラリア市民権を取得 2022 <テストからセレモニーまで>
オーストラリア市民権・義務と権利
・義務・
法の順守
選挙での投票
必要に応じてオーストラリアを守る
指名されたら陪審員を務める
・権利・
選挙での投票
公務員または国防軍の職に応募する
国会議員の選挙に立候補する
オーストラリアのパスポートを申請する
外国で生まれた子が、豪国籍を取得するための申請(世襲)
国外から、豪政府に領事支援を求める
政府による学費ローン「HECS-HELP(ヘックス)」を利用できる
❔ ニュージーランドで就労できる?
「Australian citizens and permanent residents can visit, work and live in New Zealand. You do not need a visa before you travel to New Zealand.」(NewZealand Immigration)
オーストラリアの永住権だけで住むことも働くことも可能なんですね。
❔ オーストラリアの年金(Age Pension)は受給できる?
市民権及び永住権保持者に受給資格が与えられています。(2021年7月現在)
誰が市民権申請できるの?
申請者の条件によって、手続きが3つに分かれます。
① 永住権保持者またはニュージーランド国籍保持者
② 60歳以上の方
③ 海外で生まれたときに親がオーストラリア国籍であった人
ここからは「①永住権保持者またはNZ国籍保持者」についての説明です。
・申請対象者・
・18歳~59歳のオーストラリア永住権保持者
・16歳または17歳の子ども
・親または保護者と一緒に申請する15歳以下の子ども(永住権保持)
・Commonwealth Child Migration Schemeの移民
・オーストラリア市民のパートナーまたは配偶者
・対象となるニュージーランド市民
・難民または人道的な移民
・居住条件・
☑ 18歳以上の申請者は、申請時に次の要件を満たしていること。
・過去4年間、有効なビザでオーストラリアに住んでいる。
・過去12か月間、永住権保持者または適格なニュージーランド市民である。
・過去4年間で、オーストラリアを離れた期間が合計12か月以内(過去12か月で合計90日以内を含む)である。
・素行条件/人物評価・
☑ 18歳以上の人が審査される「Good character」(enduring moral qualities of a person)。審査内容は主に、犯罪歴、裁判所からの判決、オーストラリアのコミュニティとの関わりにおいて誠実であったかどうか等。
・オーストラリアに関する知識・
☑ オーストラリア市民であることの意味を理解しているか否かを、市民権テストの結果で審査されます。合格ラインは、75%以上の正解数及びオーストラリアの価値観に関する5つの質問にすべて正解すること。
[参考] 👉豪市民権テストの内容が新しく 10年超ぶり(SBS日本語, 21/09/2020)
新しく加わったオーストラリアの価値観(Australian values)についての質問。
・言語要件・
☑ 英語で行われる市民権テストに合格すれば、言語要件を満たしていると認められる。
・その他・
☑ 原則、審査の決定が出る時点でオーストラリアに滞在していること。
☑ オーストラリアに居住し続け、オーストラリアとの密接な関係を保ち続ける意思があることも大事(Close and continuing link to Australia)。次のようなことが考慮される:
・オーストラリア国籍の子どもがいる
・オーストラリア国籍のパートナーと一緒に時間を過ごしている
・親戚が国内にいる
・国内で時間を過ごした
・国内に銀行口座がある
・国内で働いている
・オーストラリアで所得税を納めている
・国内に不動産を所有している
申請費用と審査期間
☑ 申請にかかる費用 (旧)$285から(新)$490へ。
2016年以来初の変更は申請料金の爆上がりというニュース👉「Immigration update: Australian citizenship application fee to increase from 1 July」
●申請者一人$490豪ドル
●$300豪ドル(申請時に16歳または17歳の場合)
●15歳以下の申請者は無料
(*2021年7月1日現在)
☑ 市民権申請書の審査期間は平均値なので、個々の条件によって変わる可能性があります。
Australian citizenship by conferralの場合
● 申請から決定まで:13ケ月(75%)~24ヶ月(90%)
● 決定からセレモニーまで:8ヶ月(75%)~9ヶ月(90%)
ここからは
申請の流れ ステップ by ステップ
ステップ1:Make sure you are eligible
☑ 資格、要件を満たしているかどうかを確認。
ステップ2:Prepare your documents
☑ 資格、要件を満たしているかを証明する書類を準備。
☑ 時間がかかるものもあるので、早めに準備を進めよう。
① Identity documents (16歳以上)
☑ 次の事項を証明できる書類を3つ提出。
(+名前に変更があった場合には、変更に関する公式の証明)
・birth name, date of birth and gender
・photograph
・signature
・current residential address
*以下証明する書類の例
*生年月日および名前の変更の証明
両親の名前が記載された出生証明書。
オーストラリアに到着する前に発行された家族または世帯の登録書類等。
*写真と署名
・Australian driver's licence
・ID page from your passport
・National identity card
・UNHCR document
・Proof of age card
・Student card
*住所の証拠
・Electricity, gas or water bill
・Rates notice
・Rental contract
・Bank statement
*オーストラリアへの到着の証拠
・Current or previous passport
・Travel document with a visa, such as Document for Travel to Australia
・Proof of entry, passenger list from National Archives of Australia
*Evidence of identity in the community
・オンライン申請は必須ーForm 1195 Identity Declaration
・証人に証明されたパスポートサイズの写真
② Photograph (豪パスポートサイズ写真)
☑ 申請書に含まれる扶養されている子、自分で申請する子供の写真。写真のレーザーコピーは不可。
☑ 6か月以内に撮影されたもの
☑ Form1195[Identity declaration] に添付する本人の写真。写真が申請者本人であることを証明👉Confirm your photographs are genuine
☑ 写真撮影は郵便局では$19.95、Office Worksは$16.95と高額。DIYで作成できるオンラインソフトもあります(参考👉https://makepassportphoto.com/)
③ Good character documents
☑ Oversaes Penal clearance certificates・外国の無犯罪証明書
永住ビザが発給されて以降、オーストラリア国外で過ごした期間が合計12か月以上の場合、合計滞在日数が90日以上の全ての国(日本を含む)からの犯罪経歴証明書の原本を提出。(18歳になった時点からの滞在が対象)
☑ Australian National Police Check・オーストラリアの警察証明
申請者(16歳以上)に代わって、犯罪歴の有無を当局が警察に照会するので、準備は不要。市民権申請書のNPCS(National Police Checking Service)同意セクションに署名して権限を委任。
④ Supporting documents
☑ 以下の内容を証明する証拠書類(該当する場合)
・免除、裁量、譲歩などの資格
・特別居住要件
・申請に含まれる子との関係
⑤ Online applicationsの場合
☑ 翻訳に関して
・英語以外のすべての文書を英語に翻訳(👉NAATI)。
・翻訳された書類は、オリジナルの日本語の書類と共に提出する。
・Q:過去に発行された翻訳は使用可能か? A:使用可能。
NAATIの説明:“The expiry date on the translation stamp relates to the translator’s credential, not the validity of the translation. The translation itself does not need to be re-stamped after the expiry date.”
私の翻訳担当の方に確認したところ、「〇年以内に発行された翻訳」という条件はオーストラリアでは特になく、NAATIの翻訳書類には期限はない、との返答。
但し証明しようとしている事柄による。例えば、市民権申請に使う戸籍謄本は「出生の情報=変わらない」ので、過去に発行された証明書でも有効。
基本的には「翻訳した日付の時点に、NAATIのスタンプが有効であれば、翻訳が有効」ということです。
☑ スキャンに関して
・全てのドキュメント(英語&英語以外)をカラーでスキャン。
・複数ページの書類は、1つのファイルに全てを保存。
・PDFに保存。
☑ 写真をスキャンする際の注意事項
・写真は紙の上に置かずに写真のみをスキャン。
・解像度最低300 DPI(600 DPI推奨)
・印刷は高画質、カラー(gloss prints)
・保存形式はjpg、jpeg、jpe
・500kb以下
・フォームとは別のファイルに保存。
その他の事前準備(政府サイトには記載されていない)
●家族の出生情報(基本は戸籍謄本に書かれている情報)
Associated familyのセクション:両親&近親者の出生情報、市民権、永住権。対象は、子供(biological, adopted or step child)、兄弟(step or half brother and sisterも含む)、配偶者、パートナー、婚約者。
両親がオーストラリアの出入国に使用した旅券(有効&失効のもの)があるか?あれば、その旅券の情報。
●過去5年間の住所、居住開始&退去の日
“The applicant is required to provide details of all residential addresses where they have lived in the past 5 years.”
●過去10年間にオーストラリア以外で住んだ&旅行した国の情報
仕事、留学、ワーホリ含む。入国&出国の日付、滞在日数、滞在理由
滞在日数は「Date Calculator」などのサイトで計算すると簡単。
●最初に取得したオーストラリアのビザが認可された日付
if known:分からなければ空欄のままでOK
●全ての市民権の情報
現在有効&過去に保持していた市民権
●Identity declaration (form 1195)の証人
証人が記入する項目があるので、事前に証人を探してフォームと写真に署名してもらう。証人になれる人=以下の条件をすべて満たしている人。
☑ オーストラリア国籍
☑ 最低1年以上の知り合い関係がある
☑ List of professions and occupationsの職業に就き現在も働いている
☑ 血縁関係、婚姻またはディファクトの繋がりはない
☑ 通常の業務時間帯に、容易に電話でコンタクトが取れる人
ステップ3:Apply for citizenship
☑ オンライン申請時に手元に用意しておくもの
・身分証明書各種
・パスポート
・オーストラリア運転免許証(豪の免許証の有無を聞かれる)
・戸籍謄本
・家族の出生情報
・永住権Visa Grant Notice(取得した日)
・過去5年間の住所履歴
・過去10年間の渡航履歴
・支払い方法(クレカ・Paypal・Bpay)
☑ ImmiAccountでアカウントを作成
ここから申請開始👉Applying online in ImmiAccount
Application for an Australian citizen by conferralの申請。
写真は、最初のページのイメージ。
写真は、最初のページのイメージ。
☑ Pledge preference 誓約の方法
申請で聞かれる質問の一つ。市民権セレモニーで誓約する際に、神「God」に言及しているものと言及していないもの。2つのバージョンのいずれかを選択する。
☑ Attach documents 添付書類
Passport Photograph:表(Front) &裏(Rear endorsed 証明済) を別々に添付。
☑ 申請費用の支払い
Submitボタンを押した後に支払いの画面へ進み、支払いを済ませたら完了。
支払い方法ごとの手数料(%)
ステップ4:Come to your appointment
☑ 面接と市民権テストについて、詳細を記載したアポイントメントレターが送付される。
ステップ5:Wait for our decision
☑ 決定を待つ。追加書類の提出を支持されることもある。
☑ オンラインで申請した場合は、ImmiAccountで進捗状況を確認できる。
ステップ6:Outcome
☑ 審査結果が書類で知らされる。
☑ 原則、申請の決定が出る時点でオーストラリアに滞在していること。
ステップ7:Attend a citizenship ceremony
☑ 市民権取得のセレモニーに参加し、市民権の誓いを立てる。
☑ オーストラリア市民権授与式で市民権の誓いを立てた時点から、市民権が付与される。
後半のブログ記事はこちらに続きます👉オーストラリア市民権を取得するステップ 2022 <テストからセレモニーまで>
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