オーストラリアから選挙に参加ー在外選挙制度のしくみ
Post: 24th June, 2022
オーストラリア在住10年超となった筆者ですが、お恥ずかしながら在外選挙制度に参加したことがありませんでした。言い訳としては、在外選挙人名簿登録をしに領事館へ出向くことが億劫だったから。でもこれ本音。もう少し煩雑さが減れば登録する海外在住者も増えるだろうに、と思いながら手続きや投票の様子をここに記録しようと思います。
日本の選挙制度のおさらい
選挙の制度、政治の話って、やっぱり嫌われる話題なんでしょうね。でもこの動画で話をきいたら、社会がもっとオープンに話せるように変わらないといけないな、としみじみ思いました。
「私が投票してもしなくても何も変わらないでしょ～」って言っている人。何も変わらないだけならば良いかもしれないけど、実は権力者が有利になり投票率の上がらないグループの国民が不利になる、というのが選挙の仕組み。
在外選挙制度と在外投票
『仕事や留学などで海外に住んでいる人が、外国にいながら国政選挙に投票できる制度を「在外選挙制度」といい、これによる投票を「在外投票」といいます。在外投票ができるのは、日本国籍を持つ18歳以上の有権者で、在外選挙人名簿に登録され在外選挙人証を持っている人です。（総務省ウェブサイト）』
在外選挙人名簿の登録申請
海外で投票する前にやらなければならないことがあります。それが在外選挙人名簿への登録申請手続き。出国後に海外で行う方法と、出国前に国内で行う方法（平成30年6月1日から可能になった）の2つの方法があります。
(1)在外公館における申請
居住している地域を管轄する日本大使館・総領事館（領事事務所を含）の窓口で申請。選挙人証が交付され手元に届くまでには約3ヶ月ほどかかるので、早めに申請をすることが必要です。
☆登録資格；
■ 年齢満１８歳以上
■ 日本国籍を持っている
■ その在外公館の管轄区域内に3か月以上継続して居住
■ 市区町村に転出届を提出していること
☆申請書の提出方法；
■ 申請者本人が直接日本大使館・総領事館の領事窓口に行き申請。申請者の同居家族等による代理申請も可。
■ 旅券と居住していることを証明する書類を持参する（賃貸借契約書、居住証明書、住民登録証、住所が記載されている電気・ガスの領収書など)
☆令和4年4月1日（注1）から特例措置の開始；
2021年3月、旅券の更新でブリスベン領事館へ出向いたときに、申請書をその場で記入し提出しました。日本での最終住所地と本籍地を記入する欄があるので、分からないと焦ってしまいます。事前に確認しておきましょう。また、3か月以上の居住証明書類は、在留届を３ヶ月以上前に提出していたので不要でした。
(2)国外に出国する前における申請
国外への転出届を提出する場合に市区町村の窓口で申請する方法（平成30年6月1日導入）
☆登録資格；
■ 年齢満１８歳以上
■ 日本国籍がある
■ 国内の最終住所地の市区町村の選挙人名簿に登録されている
■ 国外に住所がある
☆申請書の提出方法；
■ 転出届提出後、申請者本人が市区町村の選挙管理委員会窓口で申請。代理申請も可。申請期間は、転出届の提出日から転出届の転出予定日当日まで。
■ 身分証明書を持参。（旅券、マイナンバーカード、運転免許証、
官公庁の身分証、国公立大学の学生証など）
在外選挙人証の受領
市区町村の選挙管理委員会から交付された「在外選挙人証」は、申請した在外公館で受領できるほか、登録申請時に希望すれば、在留届の「在留地の緊急連絡先」に記載されている場所でも受領が可能なようです。
私が申請した時は、自宅に郵送してくれるというのでそのようにお願いしました。コロナ禍での特例だったのか通常業務なのかは不明です。発送しましたとのメールが届き、同封されていた「受領証」にサインして領事館に郵送して無事に一連の手続きが完了しました。
在外投票の方法
☆在外投票できる選挙は；
■ 衆議院議員選挙
■ 参議院議員選挙
☆投票できる選挙区は；
登録された市区町村の属する選挙区
☆投票方法は；
①「在外公館投票」
②「郵便等投票」
③ 「日本国内における投票」
初めての在外投票は2021年10月に行われた衆議院選。ブリスベン領事館に出向いた時間帯は私しかおらず、静まり返った室内で粛々と手続きが進められました。担当者の方々によって二重三重の確認作業を終えた投票用紙は、金庫に入れられ日本に送られました。
在外選挙人名簿に登録された人向けに、こんな冊子が用意されていました。せっかくなので、こちらをお読みください👉在外投票の手引き（総務省）
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