育児はFree-range kids without helicopter parentsが良い!?

by - 7:00 pm

Posted: Sunday 18th March 2018

 車で送迎付きの登下校 

Source: Pixabay 

オーストラリアに住むようになって驚いたことの一つが、大多数の生徒が保護者の車で送迎してもらっている、ということでした。小学生だけではなく、送迎付きの中高生も普通に見かけます。なので、登下校時間帯のスクールゾーンはいつも送迎の保護者の車で溢れかえっています。

私が育ったのは、大都会でもド田舎でもない茨城県水戸市。小学生の集団登校が当たり前、横断歩道には立哨当番のみどりのおばさんが旗を持って、私たちの登下校を見守ってくれていたものでした。なので、子どもの集団登校の姿を見かけないオーストラリアの登下校風景に驚いたのです。





子どもだけで登校することは違法?

Photo credit: Skitterphoto  

アメリカのケース

子どもだけで留守番させたら違法、と聞いたことがありますが、ユタ州で可決されたこんな法改正のニュースが目に留まりました。

Utah Governor Signs Law Legalizing 'Free-Range Parenting' (March 16, 2018)

要約すると「2018年5月8日の施行により、子どもだけで登下校することや、公園で遊ぶこと、子どもだけで車の中で親を待つことなどは、養育放棄には当たらない」。アメリカ国内で初めての例だそうです。

ニュースのタイトルになっている「Free-Range Parenting」は正式名称ではなく、通称名。Free-rangeは家畜などの放し飼いParenting育児、つまり「子どもを放し飼いにする育児の仕方」ということです。



オーストラリア・QLD州のケース

QLD州の法律(The Queensland Criminal Code, section 364a)には、12歳未満の子どもを独りにすることについて以下のように定めていることも関係しているのでしょうか。

"Leaving a child under 12 unattended"
1. A person who, having the lawful care or charge of a child under 12 years, leaves the child for an unreasonable time without making reasonable provision for the supervision and care of the child during that time commits a misdemeanour. Maximum penalty - 3 years' imprisonment.
2. Whether the time is unreasonable depends on all the relevant circumstances.

法律に違反したら「最長で懲役3年」なんて怖いことが書かれていますが、要はケースバイケースです。12歳以下でも、距離や時間、子どもの危険回避能力、周囲の環境などを考慮して、安全だと判断できれば、子どもだけで登校することも、公園に遊びに行くことも違法ではありません。

とは言っても、どこまでかはっきりとした線引きが出来ないので、子どもだけで出かけさせるときには、その判断に注意しなければならないですね。



Free-range kids without helicopter parents

Photo credit: Porapak Apichodilok  

私が小学生の時には、習い事にも当たり前に自転車で通ったし、母にはお使いを頼まれることもしばしば。妹の手を引き、地元の小さなパン屋さんやお肉屋さんに行くことが、私たちの大冒険でワクワクしたものです。その経験を通して得たものは、自信や自立心、自己肯定感や責任感であり、それが今の私を成長させてくれたのです。

そんな冒険をさせてくれた我が両親の育児ポリシーは、きっとこれだったんだなとふと思います。

「Free-range kids without helicopter parents」

・Free-range kidsは放し飼いの子ども、
・Helicopter parentsは過保護な親の意。
(ヘリコプターのように子の上で常にホバリングしているからそう呼ばれる)


今思えば、安心して子どもだけで放り出せる安全な社会が成り立っている日本の社会って、素晴らしいことなのです。あのころから何十年も月日は流れ、子育て事情は地域によって様々だと思いますが、Free-range kidsを育てられる安全な環境・社会が世界中に広ったら、と想像してみてください。たくさんの笑顔と平和と愛が見えてきましたよ。



Free-range kidsを育てる保育園


私が現在勤務しているサンシャインコーストの保育園では、まさにFree-range kidsが元気に育っています。一日中自由にかけまわり、好きな場所で好きなことをして過ごす、子どもにとってはまさにパラダイス。

私たち保育士は、不要な手助けはしません。出来ることは何でも子どもたちにやらせる、ちょっと辛く苦い思いをしながら、こどもはたくましく成長するもの。

このことについては、次のブログで書きますね。



☆☆最後までお読みいただきありがとうございます☆☆
国家公務員を退職し、保育士としてオーストラリア永住とキャリアチェンジした
サンシャインコーストライフスタイルブログライターのYumiです。
何かを変えたい、変わりたいという思いを抱いていませんか。このブログはあなたが
「新しいあなた」に出逢うための旅へ出る最初の小さな一歩を応援するブログです。
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